公務員

地方公務員は有給休暇を取得しやすい(令和4年度は45日間の有給休暇を取得した)

当記事では、次の内容について解説していきます。

  • 公務員は1年間で何日有給休暇を取得できるのか
  • 有給休暇を取得しやすい部署と取得しにくい部署
  • 有給休暇をうまく取得していく方法

きっと公務員は有給休暇を取得しやすいんだろうなと漠然と思っている人や、将来公務員に就職しようと思っている人、公務員に転職しようと思っている人には、その活動を後押しする記事となっていますので、最後まで御覧いただければと思います。

なお、細かいことを言ってしまうと有給休暇の中には、皆さんが想像している年次休暇の他に傷病休暇、結婚休暇、看護休暇、夏季休暇、介護休暇など、かなりの種類の休暇があります。

ざっと数えたら25種類ほどの休暇がありますが、ここでは、皆さんが想像している年次休暇を有給休暇と読み替えて解説していきます。

ちなみに私は地方公務員になって今年で10年弱が立ちますので、リアルな現場の声をお伝えできると思います。

それでは早速解説していきます。

地方公務員の有給休暇の制度

まず、公務員にとって有給休暇とはどんな権利なのか、何日取得できるのかなどの制度の概要を解説します。

地方公務員の有給休暇の制度概要

有給休暇は、労働者の権利で、労働基準法上もこれを保障しています。

つまり、原則、管理職が理由のいかんにより有給休暇の取得を否定したり、制限や変更させることはできません。公務員が一方的に権利を行使できます

これは、最高裁第二小法廷判決が「年次休暇は労働者の当然の権利で使用者側の承認の必要はない。また休暇をどのように利用するかは労働者の自由である」との見解によって裏付けられています。

地方公務員が取得できる有給休暇の日数

公務員が最強なのは、4月に採用された時点で20日間の有給休暇をいきなり付与されることです。つまり、採用1年目からいきなり20日間の有給休暇を取得できます。

(付与された有給休暇をすべて取得できなかった場合は、最大40日まで繰り越しできます。)

これのどこが最強なのかというと、下の表をご覧ください。

有給休暇の付与日数はこれで完璧!考え方・仕組みをわかりやすく解説 – バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer) (hcm-jinjer.com) より引用

これは、労働基準法39条で定められている有給休暇の付与日数が表になっているものです。

つまり、労働基準法39条では、採用されてから半年を経過しないと有給休暇が付与されないうえに、付与されるのも10日間というのです。

公務員がどれだけ優遇されているかが分かりますよね。

ちなみに私は、令和4年度すでに次のとおり有給休暇を45日取得しました。まじでプライベートが充実しますよ(笑

  • 年次休暇:18日間
  • 特別休暇(夏季休暇):5日間
  • 特別休暇(不可抗力休暇):22日間

地方公務員が有給休暇を取得する際の申請方法

私が従事している自治体では、自分のパソコンから電子申請し直属の上司が承認するといった流れです。

特に事前に「〇月〇日休みます。」とか、「~のため休みます。」とか直接伝える必要はありませんが、私は「年休申請したので、承認お願いします~」と軽い感じで伝えてます。

これまで10年弱公務員をしてきましたが、申請に対して「仕事は大丈夫なのか?」とか「何のために休むの?」とか嫌味を言われたことは1度もありません。

むしろ今私がいる部署は、「今日午後休みます。」とか直前の申請でも全く問題なく承認されます。これは配属されている部署にかなり影響を受けますが(笑

地方公務員が有給休暇を取得しやすい部署と取得しにくい部署

有給休暇の取得しやすさは、配属される部署により異なりますので、取得しやすい部署と取得しにくい部署について解説していきます。

ほぼ全ての自治体に共通すると思います。

有給休暇を取得しやすい部署

有給休暇を取得しやすい部署ですが、3つに分類してみました。

配属人数が多い職場

これは、当たり前な話ですが、部署の業務量に比べて配属されている職員数が多い職場は取得しやすいですよね。

どう考えても職員が足りていないだろ!という部署もあれば、ほとんど残業が発生していなく人数が有り余っている職場もあるので、後者に配属されれば最高です。

保険・税金関係の職場

保険や税金関係の職場は、業務の性質上配属人数が多く、一つの業務を2~4人でやっていることが多いです。

なので、一人休もうが、他の担当職員がフォローできるので有給休暇を取得しやすいです。

閑散期がある職場

お祭りなどのイベントを所管する部署や、選挙を所管する部署、つまり季節ものの業務を所管する部署も有給休暇を取得しやすい部署の一つです。

これからの部署は、「忙しい」と「暇」を繰り返していくような部署なので、いかに「暇」の時に休めるかが鍵を握ってきます。

有給休暇を取得しにくい部署

有給休暇を取得しにくい部署ですが、次の3つに分類してみました。

業務多忙な部署

業務多忙な部署はどうしても有給休暇を取得することが困難。

特に財政・企画・人事の出世部署はかなり忙しいです。

また、~センターや~公民館といった出先機関よりも本庁舎内に設置されている部署は相対的に業務多忙です。

雰囲気がよくない部署

次は、有給休暇を取得することに対してあまりよく思っていない人が多い部署です。

周りの職員が滅多に有給休暇を取得していない状況だと、何だか有給休暇を取得しちゃいけないんだと思ってしまいますよね。

特に、直属の上司が有給休暇に対してあまりよく思っていない人だと絶望です。

休日出勤が多い部署

最後は、休日出勤が多い部署です。

原則、休日出勤をしても、時間外手当はもらえずその分は別日に休むことになります。

つまり、振替休日ばかりがたまってしまい有給休暇を取る余裕がないというパターンに陥ります。

地方公務員が有給休暇をうまく取得していく方法

有給休暇をうまく取得していく方法を3つ紹介します。

計画的に仕事をする

結局、有給休暇を取得できない最大の理由は、業務が多くやることが終わらないからです。

業務量を減らす、「無駄を省きやることを減らす」に力を注ぐのもいいかもしれませんが、前例踏襲を大事にする公務員では、これは結構難しいです。

つまり、業務量を減らすことはなかなか現実的ではないので、計画的に仕事をやることが大切です。

「仕事ができる人はよく休む」とか「仕事ができない人は残業をする」とよく言いますが、これはあながち間違っておりません。

実際、仕事ができる人は休んでも何も言われません。だめなのは、仕事もやらないのに権利ばかり主張して休もうとすることです。

堂々と有給休暇を取得できる状態を作れるかはあなたの計画性にかかっています。

サブ担当者と連携を取る

次は、サブ担当者と連携を取る方法で有給休暇を取得する方法です。

公務員のいかなる業務も、一人でやることはありません。

実態は一人でやっている業務もありますが、それでも必ずサブ担当と呼ばれる人が一人はついています。

仕事を頑張る人は一人で仕事を進めていきますが、仕事ができる人はサブ担当者も交えて仕事を進めていきます。

一人で仕事を進めてしまうとあなたしかその業務を知らないため、休みにくくなります。

しかし、サブ担当者も交えて仕事を進めていれば、あなたが休んでいるときに何かその業務に関して問い合わせがあってもサブ担当者が対応できます。

大事なのは、あなたしか知らない業務をなくす。あなたでないとできない業務をなくすことです。つまり、日ごろからサブ担当者と連携を取って仕事を進めていくことで、有給休暇を取得しやすくなります。

職場全体で有給休暇を取得しやすい雰囲気を作る

最後は、管理職でないと難しいかもしれませんが、職場全体で有給休暇を取得しやすい雰囲気を作る方法です。

結局、業務多忙な部署へ配属されたとしても、有給休暇を取得しやすい雰囲気を作ってしまえばいいのです。

そして、この雰囲気を作れるのは管理職ですので、もしあなたが管理職なら部下のためにもその雰囲気を作ってあげてください。

まとめ

当記事で解説してきた内容を次のとおりまとめます。

  • 採用1年目から有給休暇を20日間取得できる公務員は最強
  • 職員が多い職場、保険・税金関係の職場、閑散期がある職場は有給休暇を取得しやすい
  • 一方で、財政・企画・人事などの部署は有給休暇を取得しにくい
  • といいつつも、サブ担当者も交えて計画的に業務をこなすことなどで有給休暇は取得できる
ABOUT ME
すけ丸
平成、関東生まれ。現役公務員のすけ丸です。 年間800時間残業をする激務部署からほぼ残業なしの部署まで幅広く経験。 公務員やらながら資格取得にも励み、FP3級、宅建、行政書士に合格。 現在は、公務員の魅力やリアルな情報を伝えるためブログを書いたり、電子書籍を出版しています。 好きなことは本を読むこと。毎月3~4冊くらい読んでいます。