タイトルのとおり、公務員の役職と給料の決め方を解説していく。
っていうのも、一切昇給せず、永遠に末端階級の主事やその上の主任でいる職員がいるんだけど、結局、昇給していくのと昇給しないで末端でいるのはどっちがコスパがいいのか知りたくなったから。
普通の人なら「いや、昇給した方がいいだろ・・・」って思うんだろうけど、役職が上になっていくにつれて議員対応や議会対応とか面倒で責任が重い仕事が増えるから、そのあたりを考慮した時にどっちがいいんだろうっていうのが現場のリアルな声ってわけ。
給料は給料表で決定される
公務員の給料は、すべてこんな給料表上の職務の級と号給によって決定される。
例えば、1級20号が適用される職員の給料は170,400円って感じ。
見ての通り、級が上がるほど、号給が上がるほど給料は高い。
いかに表の下の方へ、そして右の方が適用されるかが重要。
ちなみに初任給はもちろん、昇格、昇級などによる個々の職員の給料月額の改正、変更はすべて給料表上の金額を使い、任命権者が給料表に記載されていない金額を勝手に決定したり、個人の給料をみだりに変更したりすることはできない。
どんなに仕事ができる職員もどんなに仕事ができない職員もこの給料表が適用される。
給料上げたければ、自分の給料表上のポジションを表の左上の方から右下の方へ持っていけばよい。
つまり、号給と級を上げろ!というわけ。
号給と級の仕組みの解説をする前に、いくつかに分かれている役職の説明をしておく。
公務員の役職は結構多い
基本的な公務員の役職は次の表のような感じになってる。
自治体によっては、主任主事っていう役職があったり、参事っていう役職がなかったりするから、基本的なものと思ってほしい。
つまり採用されると主事という役職、その後主任、主査・・・・退職する頃には課長くらいになるというのが通常の職員のケース。
ご存じのとおり公務員は年功序列だから主事~主任まではどの職員も同じペースで役職が上がっていく。
主任→主査以降になると、仕事の能力だったりで徐々に昇格ペースに差が開いていく。
昇給・昇格すれば給料は上がる
基本毎年昇給していく
給料表の下を適用させるには=号給を上げればよい=昇給すればよい
昇給は、「昇給の日の属する年度の前年度を通じて良好な成績で勤務した職員の昇給の号給数を4号給とすることを標準として人事委員会規則で定める基準に従い決定するものとする。」という規定に基づいて、1年に1回(4月1日)昇給する。
良好な成績で勤務した職員の昇給区分が4号給(B)となっているけど、ほぼ全ての職員が毎年4号給昇給し、全体の20%の職員が6号給(A)昇給する。
ちなみに僕は年間700時間くらいの残業をした年に6号給(A)昇給したけど、その年以外は4号給(B)昇給のみ。
昇給区分 | S | A | B | C | D |
昇給の号給数 | 8号給 | 6号給 | 4号給 | 2号給 | 0号給 |
というように、仕事ができない職員でも毎年4号給は昇給していくから、毎年5000円くらいは毎月の給料が上がる。
数年に1度昇格していく
給料表の右を適用させるには=級を上げればよい=昇格すればよい
昇格は、下にあるような級別資格基準表に定める経験年数又は在籍年数を経過した後、選考により行われる。
ちなみに自治体によっては、この選考以外に試験を実施しているところもあるから必ずしもこの表が適用されるわけではないので、おおむねの目安ということで見ておいてほしい。
職種 | 1→2級 | 2→3級 | 3→4級 | 4→5級 | 5→6級 |
大学卒 | 経験3年 在級3年 | 経験7年 在級4年 | 経験10年 在級3年 | 経験12年 在級2年 | 経験14年 在級2年 |
高卒 | 経験8年 在級8年 | 経験12年 在級4年 | 経験15年 在級3年 | 経験17年 在級2年 | 経験19年 在級2年 |
僕が働いてる自治体で言えば、1→2級、2→3級までは全職員が同じペースで昇格していくけど、3→4級の昇格以降、1、2年の差が開いていく。
ちなみに、昇格が早い職員の特徴は、
- まじで仕事ができる
- 管理職を巻き込んで仕事してる
- 見せ方がうまい
驚くかもしれないけど、仕事ができなくてもどんどん昇格していく職員がたまにいる。
これは、管理職を巻き込んで仕事をしているパターンか、働き方(見せ方)がうまいパターンのどっちか。
仕事ができないけど昇格していきたい人は仕事の見せ方を研究してほしい。
要は、上の人間に「こいつ仕事頑張ってるな!」と思わせればよい。
まぁ昇格していくと給料は高くなるけど、それに比例して責任感がある仕事もしていかなければならないから一概に昇格していくことがいいとは言えない。
ずっと末端役職の主事でいることにも魅力を感じる職員がいるのも事実。そういった職員も実際にいる。
ずっと主事でいることの魅力
君はずっと主事でいたいか!!!?
昇格に興味がなく責任の重い仕事をしたくないのであればずっと主事でいることに魅力を感じると思う。
昇格しないで主事や主任でいることのメリットは、
- 責任が重い仕事やらなくて良い
- 残業手当がもらえる
- 休みやすい
反対に昇格しないデメリットは、
- 周りの視線が痛い
- 管理職手当がもらえない
- やりがいが感じにくい
っていうところ。
ちなみに実際に僕が働いている自治体でも40代、50代になっても20代の僕と同じ役職の人が少なからずいる。
大抵は傷病休暇に長期間入っていたとか何か事情がある人が多いんだけど、本当にたまに昇格したくないって職員がいる。
個人的には、家族構成や資産状況によっては、ずっと主事でいるのもありだよなと思ってる。
ポンコツ上司が出現する理由
ポンコツ上司が出現する主な理由は
- 年功序列で昇格してしまうから
- 仕事ができないけど見せ方がうまい職員が昇格してしまうから
だと思ってる。
公務員らしい理由だけど、黙ってても偉くなっていくし、営業職のように契約数とか目に見える定量的な成果がすくない公務員は、仕事の見せ方がうまい職員が偉くなっていく
これに尽きると思う。
公務員も年功序列の色合いを少し減らしていかないとポンコツ上司はいなくならないと思う。
まとめ
公務員の役職と給料の決め方、ずっと主事でいた方がコスパがいいのかを解説してきたけど、その要旨は次のとおり。
- 公務員の役職は9種類くらいある(自治体によって多少の差はある)
- ポンコツ職員も毎年4号給(B)昇給していく
- 数年に1度のペースで昇格していく
- 30代後半から昇格ペースに差が開いていく
- 責任を感じたくなければ昇格せず主事でいつづけることもありっちゃあり